昼寝について

 <晴れ>

暖かかった、らしい。都内では15度近くあったらしい。初雪よりも春一番が先に吹くかもしれないらしい。そうなると、観測史上初らしい。



起きたときに寒くて、朝の冷えは厳しかったとニュースで言っていたのでそのせいだと思っていたが、いつまでたっても寒い。昼になっても寒い。喉も痛い。からだもだるい。悪寒がする。これはもしや、風邪のひきはじめ? 毛糸の肩掛けをして、タオルを首に巻いてすごす。人が来たらいそいで喉のタオルを外さなければいけないような、ヘンな恰好。



そんなわけで昼寝をする。
昼寝には、うしろめたさがつきまとう。気持ちいい分、うしろめたい。そのため、仰向けで手足を伸ばして寝てはならない。これでは堂々としすぎだ。横向きにからだを丸めた状態が望ましい。ソファに腰掛けたまま、上半身だけ横のクッションの上に崩れるのもよろしい。毛布などを使うのは、「これから昼寝をするぞ」という外連が見られるので、だめ。昼寝とはいつの間にかうとうとしてるものだから。ただし、風邪をひいてはカッコ悪いので、室温は暖かかくしておきたい。カーテンを閉めて薄暗くするのもダメ。明るいところで、昼間っから悪いねえと思いながらうとうとする。目が覚めたらさっき淹れた熱い紅茶が冷たくなっている。すると、「ああこんなに寝たんだ」と思えるので、ちゃぶ台の上には熱いお茶を置いておく。目が覚めたときには喉も渇いているので、渋く冷めてしまった紅茶を飲み干す。