逗子・葉山、シーカヤック海上散歩
大型連休到来。海遊びにもいいシーズンです。今日は逗子から葉山に向けてシーカヤックで出発し、海から見た様子をお伝えします。パートナーのcobuは真冬でも毎週末、漕ぎに出るほどシーカヤックにハマっています。カヌー歴は20年以上ですが、これほど毎週漕ぐようになったのは逗子に住むようになってから。わたしは年に何度かのヘナチョコで、それでもカヤックの楽しさはわかります。
三浦半島西岸は上陸しやすい浜が多いのが特徴です。砂浜や岩礁がきれいで、変化にとんだ海岸線なので、漕いでいて単調な気分になることがありません。
さて、まずは逗子海岸から海上散歩のスタートです。
逗子海岸を出て渚橋のある田越川を過ぎ、海岸沿いを行くと、約20分で葉山マリーナが見えてきます。海から見えるのは堤防だけ。残念ながら湘南ビーチFMのスタジオがある建物は見ることができないのです。
少し漕ぎ進むと森戸海岸。建築中の建物がいくつか見えます。森戸川を過ぎると磯場で、このあたりは松の緑が鮮やかです。もしトイレに行きたくなったら、森戸海岸に上陸。森戸神社のお手洗いを貸していただきましょう。お礼と安全祈願で、お賽銭をお忘れなく。まだ、大丈夫ですか。
そこからは左手に見える鳥居を目指し、ちょっと陸を離れて菜島に向かいます。葉山マリーナからは20分ぐらいでしょうか。夏は渡し舟もありますが、自力で上陸する喜びは格別です。そしてこの島に上陸するなら、シュノーケリングの道具をお忘れなく。岩場の間に、魚の群れを見ることができます。わたしは潜れないのですが、海にぷかぷかと浮いているだけでいい気持ち。いまの時期なら釣りもお勧めです。キスやカサゴ、うまくいけばカレイなんかも釣れるそうです。このあたりでは、ウミウやカモメの姿も、すぐ近くで見ることができます。小さなバーナーを持っていれば、コーヒーを淹れることもできます。アウトドアだとインスタントコーヒーでも、とてもおいしいものです。
さて、菜島の海を楽しんだら、次は芝崎を目指して再スタートです。だいたい10分ぐらいでしょうか。このあたりの浜は上陸しづらいのですが、磯の風景がとてもきれい。視線を遠くに移せば、大峰山の山並みです。春から夏にかけては、緑の山がとても大きいですね。ダイビングスポットとしても人気がある場所なので、いっとき漕ぐのをやめて、水の中を眺めるといいと思います。海が穏やかで水が澄んでいるときなら、空に浮かんでいるような感覚になることがあります。
芝崎を越えると、御用邸のある一色海岸です。ここは夏でも人が少なくて、のんびりとした雰囲気。海から見る御用邸は松がうっそうと茂り、どっしりと落ち着いています。一色海岸の上にある県立葉山公園には公衆トイレがあります。トイレ休憩に立ち寄ってもいいですね。御用邸の裏には打鯖磯（うちさばいそ）という岩場があり、その先に大山川という川があります。それまでに通り過ぎた森戸川や田越川は上流に向かって入っていくこともできますが、御用邸に沿っているこの川にだけは入ってはいけません。そのあたりを警備しているおまわりさんにおこられちゃいますからね。
長者ヶ崎も湾の内側は波が比較的穏やか。シュノーケリングや釣りを楽しむ人の姿を見かけます。ここの浜はこのあたりではいちばんの、シーグラスの宝庫です。10分も拾えば、小さめのコンビニの袋にいっぱい集められます。cobuはシーグラスでライトシェイドやキャンドルスタンドを作っています。
さて、シーカヤックを漕ぐときに必要なのは、帽子、日焼け止め、サングラス、水分、ちょっとしたスナック菓子。ゼリー飲料は水分とエネルギーが同時に補給でき、かさばらないので、便利です。カヤックのハッチにはキャンプ道具一式が入るほどのスペースがあります。水が入らないようになっているので濡れる心配はないのですが、念のため、水に濡らしたくないものはファスナー付きのビニール袋（ジップロックなど）に入れておくと安心です。
シーカヤックは大きく分けると2種類。ひとつは腰まですっぽりと艇のなかに入り込むクローズタイプ。いわゆるカヤックらしいカヤックです。もうひとつはシットオンといって、ボード状のカヌーの上に乗って漕ぐタイプ。長距離は疲れますが、気軽に楽しめます。それぞれ一人艇（いちにんてい）、二人艇（ににんてい）とあります。シットオンには3人まで乗れるものもあるようです。
カヤックツアーでたいせつなのは自分のペースで漕ぐこと。疲れる前の休憩と、喉が渇く前に水分補給。車でサポートしてくれるパートナーに迎えに来てもらえば帰り道がラクチンですね。葉山公園や長者ヶ崎に駐車場があるので、待ち合わせに便利です。普通は帰路も自分で漕ぎますから、その分の体力を残しておかなくてはいけません。
シーカヤックを漕いでみたいけど、なにをどうしていいかわからないという人は、ワンデイスクールをおすすめします。わたしが行ったのは森戸にある「葉山シーカヤックスクール」のトライアルコース。三浦半島のなかでもとりわけ波の穏やかな森戸の海での講習なので、まったく初めての人でも大丈夫。もちろん、手ぶらでOKで、道具やウエアは貸してもらえます。浜でのパドリング講習、沈（ちん＝転覆）した時の着脱方法、方向転換やバックの方法などを練習し、ひと通り教わって、あとはみんなで一緒に菜島と裕次郎灯台を目指してツーリングしました。クラブハウスでは食事もできます。一日漕いで陸に上がったあとのビールのおいしいこと！ 一度味わうと（ビールじゃなくて、カヤックがですよ）、きっと病みつきです。
