どなる人

　＜曇り、のち雨＞

ちょっと肌寒い。昼過ぎに傘をささなくてもいいほどの雨。夜になっていちじ、ざんざん降り。

早起きすると、当たり前だけど一日が長い。
所用で追浜、横須賀へ。フリースのライナーがついたコートを着てても寒かった。商店街に立ち飲みができる古い酒屋があって、昼前なのにワンカップ片手のおじさんが、ふわふわと立っていた。遠くから写真を撮ろうと思ったけど、怖いのでやめておいた。
べつの場所ではどなる人を見た。「てめえ、そうやってウヤムヤにしようとしてんだろうがよお」とどなるおじさん。ふだんはよい夫でよいお父さんでよい会社員なんだろうなと思われるような人だった。どなられる人は物腰柔らかく、冷静に対応していた。「いえ、ウヤムヤにしようとしているのではなく、確認しようとしているだけです」「確認とかいって、逃げるつもりか」「でも書類を見て確認しませんと」「うるせんだよ」。原因はわからないが、対照的なふたりの様子を見ていると、どなるおじさんのほうが八つ当たりしているように見える。もっと聞いていたかったが立ち止まっている理由がないので、しぶしぶあとにする。

桜を見たいろんな場所で、椿の花が落ちていた。