探検と冒険

 <晴れ>

朝から気持ちのよい日差しと風。

夕方までに仕事を1本かたづける。

6時にnayaさんと大船で待ち合わせして、野毛へ。cobuに教わり、わたしのなかでかねてよりの懸案事項であった満州焼き。それを求めて庄兵衛に向かう。地図をプリントしてもっていったが、なにしろ地図が読めないふたりであった。大いに迷う。役に立たない地図を持っていったわたしも悪いが。
「この地図だとよくわからないから、あちこち歩いて、野毛探検ってことにしよう」というと、「探検っていうのは、下調べもして、地図をちゃんと利用して歩くことで、地図も持たずにやたらめったら歩くのは冒険なんだよ。『笑っていいとも』でいってたよ」といわれる(あれ、逆だったかな)。


出発点まで一度もどり、それでどうにか庄兵衛たどり着く。背広姿の会社帰りという男の人たちでいっぱい。サラリーマンの放課後といった趣。座敷の端に上がり、生ビールと満州焼きを頼む。満州焼きは甘辛いタレで焼いてある焼き鳥といえばいいのか、独特のタレがおいしい。しいたけ、銀杏、ネギバラ肉、つくね、レバ刺し、おしんこ、トマトなど。注文すると、なんでもすぐに出てくるのがすごい。nayaさんが冷酒を頼むと、紙パックごと出てきたのだった。

帰り際、レジの横にマッチが置いてあったので、主のようなおばあちゃんに、「マッチくださいね」と言うと、「いっぱい持ってってー。宣伝してー」といわれる。マッチには「元祖 満州焼き」と書いてある。なんで満州焼きというんだろう。


それからバラ荘に向かう。案の定、ふたりとも場所の確定ができない。おそらくこっちのほうだろうと歩きながら、nayaさんがh店長に電話。「バラ荘が見つかんなくてさあ」と話しているとき、ふたり組み男性が「自分ら、バラ荘に行くところですよ」といいながら追い抜いていった。

バラ荘は電話をかけた場所から目と鼻の先だった。相変わらず、というかわたしは二度目だけど、外から見ただけでは営業しているようには思えない雰囲気だ。中にはさきほどのふたり組みと、男性が数人、カウンターにいた。わたしたちはテーブルに座り、ジンライムと、ゆで卵。ゆで卵! 絶妙の半熟かげん。

そのうち、客がわたしたちだけになる。ママさんが、「前に来てくれたことあるわよね。たくさんで。ものを書いてる人たちでしたよね」。覚えてくれていた。


酔っ払い女がふたり、こんどは駅までたどりつけるかなあいいながらと歩く。「あそこにあるの、あれって駅っぽいよね」っていう状態。電車に乗って、大船でnayaさんとは別れる。nayaさん、乗り過ごさなかったかな。