台風まぢか

 <曇り、雨、晴れ、曇り、雨>

雨のにおいがするなと思っていたら、雨の音がした。夏の夕方の雨のにおいは、すぐわかる。一気に降ってすぐに上がり、晴れ間させのぞかせる。明日は台風が首都圏を直撃の予報。


朝、cobu母より電話。先日の地震の様子を聞かれた。
津波がくるかもしれないとなったら、真っ裸でもいいから、逃げなさい」。真っ裸のときに地震津波がきませんように。



携帯電話のバッテリー残量がすぐに赤い警告色になります。何本か電話でしゃべると、すぐに赤です。わたしが持っている機種は不良機種だったらしく、電話会社から「お知らせ」が来てたなあ。「交換します」だったか「修理します」だったか。めんどうなのでそのままにしていた。それほど古くもないのに、大丈夫だろうか。いや待て、この時代では、もう古い機種なのか。
家のなかでもすぐに圏外になる。あ、これは機種の問題じゃないのかな。


そんな携帯を使いながら、アポ取りの電話を何本もかける。月末のいつもの忙しさに加え、別の仕事もいただいたためだ。とんとんと話が進んで時間が決まるところもあれば、なかなか面倒なところもある。どこも楽しみな取材先で仕事があるのはうれしいが、時間がないから気が重い。
夏はウクレレ関連のイベントが盛りだくさん。ワークショップ関連の用事も多く、予定がいっぱい。ちゃんとこなせるだろうか。



夕食後、小寿々のわらび餅を食べる。カレーでお腹がいっぱいといっていたくせに、cobuもたくさん食べていた。
実家のほうでは「わらびもちー、おいしいおいしい、わらびもちはいかがですかー」と節をつけて言いながら、白い軽トラックで売りに来ていた。その声が聞こえると、ボウルを持って駆けていく。軽トラックなのに、ちゃんとのれんがついていた。
四角く固められたものを切り分ける小寿々のようなものではなく、ひと口大に丸められたいびつな形のもの。黒蜜はかけず、黄な粉だけ。ときどき、薄い桃色や緑色が混じっていた。桃色や緑色の冷麦のように。
味は変わらないのに、色つきのわらび餅はおいしい。みんなが狙う。



cobuは夏の間はトランクスではなく、ロングパンツをはく。毎日スーツなので、汗を吸い取ってくれるから具合がいいらしい。
ロングパンツ。レトロな言い方をすれば、つまり猿股だ。
はいていることを同僚の若い男性に話したところ、彼は「自分はぜったいにそういうのははきません」ときっぱり言ったそうだ。
「オレなんか、どんなにきれいな受付嬢がいようと、この人とどうのこうのってことはないし、ましてはその人の前でスーツのズボンを脱ぐような状況は、この先一生ないのである。だからオレは猿股をはくのである」と申しておりました。
ばっちり中年スイッチが入っているのである。