美術館から海へ

台風一過

 <晴れ>

台風が去り、青空。

昼食を済ませてから、バスで葉山へ。
田越川に係留してある船が一艇、半分傾いて沈みかけていた。台風のせいだろう。葉山の美術館で「アンテスとカチーナ人形 現代ドイツの巨匠とホピ族の精霊たち」を見る。カチーナ人形はとてもプリミティブでユーモラスで、興味深い。すべての人形に意味がある。見ていると楽しい。

nayaさんがNさんのアトリエにいることを知っていたので、用が済んだらお茶でもしようと、電話をもらうことにしていた。ちょうど見学を終えて海を眺めていると、電話があった。そのままわたしもぶらぶら歩いてアトリエへ。nayaさんのだんなさんや子どもたちもいて、彼らが海に遊びに行ってからも3人で話す。

 

それから一色海岸に。人は少ない。波が高い。nayaさん一家が泳いでいるのを見ながら、海小屋でビールを飲む。最近サーフィンを始めたNさんから、波の見方など教わる。わたしも水着を持ってくればよかった。

5時過ぎに海を離れる。ナツくんがもっといたいと涙ぐむ。おとなは今日が夏なら明日も夏で、今日が終わっても明日また夏と遊べることを知っている。でも保育園児には、今日がすべてなのかもしれない。昼が終わって海を去らなければいけないことが、悲しくてたまらないようだ。悲しいけどお父さんと手をつないで、我慢して歩いている。子どものころに感じた一日が終わる切なさを、ちょっとだけ思い出した。朝起きれば子どもには、またまっさらな夏の一日が待っている。

Nさんはボードを持って海に引き返したんだろうか。


バスで逗子まで戻り、スズキヤのチャヤでゼリーをふたつ買って帰る。